この施設は大分県と豊後高田市が行った地域給水施設整備事業により整備されました。
その企画・設計にあたっては、当NPOが技術支援を行ったものです。
この施設は、過疎高齢化が進む地域特有の地元ニーズから
- 極力建設コストを押さえること
- 地元のものでも扱える簡便・単純な構造なものであること
- 軽い労務は生じても、維持管理・修理に極力コストがかからないこと
- 薬品等を用いない浄水方法が望ましいこと
というコンセプトのもと考えられたものです。
この地域は、比較的水質のよい表流水・浅層地下水は水量がなく、深層の地下水は鉄マンガンを含むという地域で、良質水源を得ることが困難な状況でした。
このことから、大きなコストをかけて新規水源開発することはせずに、既存の深井戸の水を水源とし、鉄マンガン除去のミニ浄水場を設けることとしました。
H24年2月1日の測定では、鉄2.1mg/l(基準の7倍) マンガン1.6mg/l(基準の32倍)という原水です。
通常の水道施設では、除鉄除マンガン施設を導入するところですが、上記のコンセプトに基づき、砂ろ過を用いた鉄マンガンの除去を行う施設としています。
この浄水方法の仕組みは、ただ単純に原水をゆっくりとした速度で砂ろ過するだけなのですが、自然発生する鉄バクテリアにより、水中に含まれる鉄やマンガンが除去されるといったものです。
メンテナンスも、鉄バクテリアがろ過砂表面に堆積し、ろ過閉塞をおこすので、その際砂表面1cm程度を掻き取るだけの軽作業となります。(お金がかかりません)
施設は平成23年3月に完成し、地区14戸に対し給水もおこなわれているところですが、この施設が十分な能力を発揮しているか?適正な維持管理が行われているか?
問題が発生した場合の対象をどうするのか?などのアフターフォローを行うため、維持管理支援を行っているものです。